仲西 正 NAKANISHI Tadashi
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研究内容 【 表示 / 非表示 】
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1)消臭繊維の消臭機構の解明
生活環境における「におい」の問題が近年取り上げられるようになった.本研究室では,天然繊維である綿や羊毛などに,媒染染色により銅などの金属を持たせることにより発現する消臭特性の測定とその機構解明を行っている.
2)含水高分子ゲルの外部環境選択的膨潤挙動と生活材料への応用
ポリビニルアルコールやポリエチレンオキシドなどの水溶性高分子を橋架けして調製した含水高分子ゲルは,外部水溶液の溶質の種類,濃度などにより,選択的な膨潤収縮を示す.これらの膨潤挙動のメカニズムを解明し,高機能な生活材料としてのゲル材料の応用を考える.たとえば,オムツなどの吸水性材料や膨潤収縮を利用したアクチュエータなどが考えられる.
3)含水高分子膜の選択透過性と選択収着性
含水高分子膜は,医用,産業用,家庭用など,様々の分野で,その選択透過性を利用して用いられている.生活環境の浄化などの観点から,膜の利用は今後ますます展開するものと思われる.本研究室では,特にポリビニルアルコール膜について研究を続けており,最近はイオンの選択的収着特性を検討している.
■潜在可能性(応用・将来展望)
消臭繊維 → 高齢化社会における介護環境の改善
高分子ゲル → 高齢者用オムツ素材、ソフトな材料からなるアクチュエータ
教育内容 【 表示 / 非表示 】
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(学部)環境材料物性,物理化学,生物化学,機器分析演習,人間環境科学実験実習などの授業を担当した.授業に際しては,わかりやすく説明することを最大の目標とした.卒業論文指導学生は2名で,卒業論文テーマは,消臭機能繊維に関するものが1件,高分子ゲルの膨潤挙動に関するものが1件であった.卒業論文指導においては,理系的研究法を理解させることと,言葉によって,自分の考えをまとめ相手に伝える力を持たせることを主眼とした.
(大学院)指導した前期課程学生は,2年生2名と1年生1名であった.博士前期課程学生の指導においては,研究の背景と方向性を明確に理解し,自身の力で実験を計画し遂行でき,得られた結果を合理的に説明できる力を与えることを目標に指導を行った.
将来の研究計画・研究の展望・共同研究の可能性 【 表示 / 非表示 】
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消臭繊維については,におい物質の吸着や分解などの消臭機構の基礎的な点について調べると同時に,実用的な観点からの開発的な研究を行いたい.高分子ゲルの研究については,環境対応などの観点から,天然高分子ゲルへも拡張したい.特に,天然高分子ゲル固有の高い機能性にも注目したい.高分子と低分子の相互作用が,機能発現にかかわる材料について研究を広げたい.
受験生等へのメッセージ 【 表示 / 非表示 】
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現在,高校生や大学生の皆さんも,いつかは社会に出られ仕事をして活躍されることになります.社会に出る直前で大学や大学院で学ぶことにはどのような意味があるのでしょうか.私は「未知の問題を解決できる力」を備えることではないかと考えています.大学では,ひとつの専門について深く学びます.大学院では専門的な研究も自ら行います.大学や大学院で学んだ専門分野は,将来の仕事と直接に関係ないかもしれません.しかし,私は,皆さんがどのような専門を選ばれても,「深く」学び,「深く」考えることが大切であると考えています.「深く」考えた人には,その人にしか見えなかったり気づかなかったりするものが見えるのです.そのような能力こそが,皆さんが活躍される将来のどのような分野や状況においても,必ず役に立つのです.私は,講義室や研究室で,自分の専門を通して,学生の皆さんが「深い」見方ができるように指導したいといつも考えています.
学歴 【 表示 / 非表示 】
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東京工業大学大学院, 理工学研究科, 高分子工学専攻, 大学院(博士課程), 1987年03月, 修了, 日本国
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東京工業大学大学院, 理工学研究科, 高分子工学専攻, 大学院(修士課程), 1983年03月, 修了, 日本国
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東京工業大学, 工学部, 高分子工学科, 大学, 1981年03月, 卒業, 日本国
学内職務経歴 【 表示 / 非表示 】
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基幹研究院 自然科学系,教授,2015年04月 - 継続中
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人間文化創成科学研究科 研究院【基幹部門】,教授,2011年04月 - 2015年03月
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人間文化創成科学研究科 研究院【基幹部門】,准教授,2007年04月 - 2011年03月
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生活科学部 人間・環境科学科,助教授,2004年10月 - 2007年03月
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お茶の水女子大学 生活科学部 生活環境学科 生活工学講座,助教授,1992年10月 - 2004年09月
学外略歴 【 表示 / 非表示 】
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マサチューセッツ工科大学 物理学科,文部省在外研究員,1994年04月 - 1995年01月
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東京工業大学 工学部化学工学科,助手,1987年07月 - 1988年03月
学術著書・訳書 【 表示 / 非表示 】
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生活材料学の基礎 アパレルから建築まで
第1章 基礎I-材料とは-,第6章 金属材料,第7章 セラミック材料, 光生館, 2014年09月, 牛腸 ヒロミ・仲西 正・吉村 利夫・柚本 玲・森 俊夫・大橋 寿美子・兼廣 春之, 牛腸 ヒロミ(監修)・仲西 正(編著), 教科書, 7-17, 89-118
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第3版 繊維便覧
3.1.3.d(iv) 嗅覚と繊維製品, 丸善, 2004年12月, (社)繊維学会 編, 辞典・事典, 453-454
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新版 家政学事典
6.1.1 原料繊維の生産・消費動向, 朝倉書店, 2004年07月, (社)日本家政学会 編, 辞典・事典, 650
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染色加工の事典
朝倉書店, 1999年06月, 日本学術振興会繊維高分子機能加工第120委員会編, 辞典・事典
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被服学辞典
朝倉書店, 1997年07月, 阿部幸子・鷹司綸子・田村照子・中島利誠・丹羽 雅子・藤原康晴・山名信子・弓削 治 編集, 辞典・事典
論文 【 表示 / 非表示 】
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Deodorization for ethanethiol by cotton and wool fabrics mordant dyed with congo red and copper (II) sulfate
Textile Research Journal, 88巻9号(頁1056 - 1064), 2018年05月, AMEMIYA Toshiko, NAKANISHI Tadashi, 原著, 研究論文(学術雑誌), 共著者
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アンモニアとエタンチオールからなる複合臭成分の媒染染色布による除去
Journal of Fiber Science and Technology, 72巻1号(頁40 - 43), 2016年01月, 雨宮 敏子・仲西 正, 原著, 研究論文(学術雑誌), 共著者
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繊維学会誌, 70巻7号(頁145 - 151), 2014年07月, 雨宮 敏子・仲西 正, 原著, 研究論文(学術雑誌), 第一著者相当
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Dye sorption and swelling of poly(vinyl alcohol) hydrogels in Congo red aqueous solution
Macromolecular Research, 22巻7号(頁731 - 737), 2014年06月, Endang Katmiwati, NAKANISHI Tadashi, 原著, 研究論文(国際会議プロシーディングス), 第一著者相当
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繊維製品消費科学, 54巻12号(頁1064 - 1065), 2013年12月, 雨宮 敏子・仲西 正, 原著, 研究論文(学術雑誌), 第一著者相当
その他雑誌掲載文 【 表示 / 非表示 】
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銅塩媒染染色布とカチオン染料染色布の併用によるエタンチオール除去
日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告, 72巻(頁41 - 44), 2021年10月, 仲西 正・雨宮 敏子・畑﨑 小波, 原著, 第一著者相当, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
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PVAゲルの糖アルコール選択的膨潤
日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告, 71巻(頁47 - 50), 2020年10月, 仲西 正・古旗 めぐみ・雨宮 敏子, 原著, 第一著者相当, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
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界面活性剤水溶液中におけるPVAゲルの膨潤挙動
日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告, 70巻(頁48 - 51), 2019年10月, 仲西 正・大島 百合子・雨宮 敏子, 原著, 第一著者相当, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
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PVAゲルの単糖水溶液中における膨潤挙動
日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告, 69巻(頁51 - 54), 2018年10月, 仲西 正・沙魚川 遥・雨宮 敏子, 原著, 第一著者相当, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
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銅塩水溶液中におけるPVAゲルの膨潤に対するpHの影響
日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告, 68巻(頁55 - 58), 2017年10月, 仲西 正・百瀬 淳美・雨宮 敏子, 原著, 第一著者相当, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
その他書籍掲載文、作品解説・解題、校閲・監修(特定課題研究報告書を含む) 【 表示 / 非表示 】
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高齢化社会に対応した消臭機能オムツ素材の開発
日本学術振興会, 2015年06月, 仲西 正, 科研費報告書, 単著
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高齢化社会に向けての消臭機能を持つオムツ素材の開発
日本学術振興会, 2012年06月, 仲西 正, 科研費報告書, 単著
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繊維製品の基礎知識シリーズ 新訂2版
日本衣料管理協会, 2012年01月, 執筆者:第1部 秋山隆一ほか20名,第2部 安藤文子ほか14名,第3部 大橋正男ほか15名,編集委員:小林茂雄・風間 健・島崎恒蔵・高橋和雄・仲西 正・別所義雄, 日本衣料管理協会刊行委員会, 教科書, 共著
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消臭機能を持つ快適なオムツ素材の開発に関する研究
2009年06月, 仲西 正, 科研費報告書
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健康な衣住空間創造のための媒染染色による高消臭・抗菌機能布の開発
1)反応染料と銅塩で染色した綿布の消臭特性 2)反応染料と銅塩で染色した綿布の抗菌特性 3)ガスクロマトグラフ法を用いた含銅染色繊維の消臭過程の追跡2007年06月, 1)2)小林 泰子・小阪 君枝・仲西 正 3)仲西 正・片倉 あすか・小林 泰子, 小林 泰子, 科研費報告書
研究発表 【 表示 / 非表示 】
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混合におい物質の銅媒染染色綿布による除去
鎌倉 遥・雨宮 敏子・仲西 正, 国内, 2021年11月, 第57回染色化学討論会, オンライン開催, 一般社団法人繊維学会 染色研究委員会, 一般発表, 共著者
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界面活性剤水溶液中における PVA ゲルの膨潤
大島 百合子・雨宮 敏子・仲西 正, 国内, 2019年12月, 第57回高分子と水に関する討論会, 東京海洋大学,東京, 高分子学会 高分子と水・分離に関する研究会, 一般発表, 共著者
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異なるチオール除去機構をもつ消臭繊維の併用効果
雨宮 敏子・仲西 正, 国内, 2019年06月, 2019年繊維学会年次大会, 東京・タワーホール船堀, 繊維学会, 一般発表, 共著者
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比色法とGC法を用いた水溶液系における銅塩によるチオール除去過程の追跡
中居 寿々子・雨宮 敏子・仲西 正, 国内, 2019年06月, 2019年繊維学会年次大会, 東京・タワーホール船堀, 繊維学会, 一般発表, 共著者
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鉄を含む媒染染色綿布のチオール除去機構
平井 知子・雨宮 敏子・仲西 正, 国内, 2019年06月, 2019年繊維学会年次大会, 東京・タワーホール船堀, 繊維学会, 一般発表, 共著者
外部資金等受入(教育・社会貢献の外部資金を含む) 【 表示 / 非表示 】
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高齢者の衣生活を快適にする消臭機能を持つオムツ素材開発に関する基礎的研究
基盤研究(C), 仲西 正, 2021年度, 700千円
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高齢化社会において有効な消臭機能を付与したオムツ素材の開発
基盤研究(C), 仲西 正, 2015年度, 2,300千円
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高齢化社会に対応した消臭機能オムツ素材の開発
基盤研究(C), 仲西 正, 科学研究費助成事業, 日本学術振興会, 2014年度, 700千円
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高齢化社会に対応した消臭機能オムツ素材の開発
基盤研究(C), 仲西 正, 2013年度, 700千円
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高齢化社会に対応した消臭機能オムツ素材の開発
基盤研究(C), 仲西 正, なし, 2012年度, 3,380千円
学術団体の役員、委員等としての貢献 【 表示 / 非表示 】
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一般社団法人 日本家政学会 代議員, 委員,2020年01月 - 2021年12月, 国内
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一般社団法人 日本家政学会 理事, 理事,2016年05月 - 2020年05月, 国内
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一般社団法人 日本家政学会 被服材料学部会 部会長, 委員長,2014年08月 - 2016年10月, 国内
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一般社団法人 日本繊維製品消費科学会 諮問委員, 委員,2013年06月 - 現在, 国内
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一般社団法人 日本家政学会 被服材料学部会 幹事, 委員,1990年04月 - 現在, 国内