近藤 敏啓 Toshihiro Kondo
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研究内容 【 表示 / 非表示 】
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電極/溶液界面における電子移動反応は、厳密に基礎的に理解し、燃料電池やバイオセンサといった次世代ナノテクノロジーに応用していくためには、電気化学活性界面を高い空間分解能/時間分解能で知る必要がある。シンクロトロン放射光利用表面X線散乱(Surface X-ray Scattering; SXS)法を利用して、0.01 nmオーダーという非常に高い空間分解能で電気化学活性界面の三次元構造をその場決定する事に加え、時間分解能が低いというこれまでのSXS法の欠点を、装置(光源、入射波長の選択)や電気化学セルの工夫によって克服し、電気化学活性界面の構造ダイナミクスを高い時間分解能で測定/解析する事を目的としている。平成20年度は、Au(111)、Au(100)表面に形成した酸化膜二重構造を高精度に決定し、ダイナミクスに挑戦した。
また、燃料電池のカソード触媒として利用される白金量低減化を目的として、金単結晶表面に白金を単原子層電析した電極において、高効率な酸素還元反応を実現した。
教育内容 【 表示 / 非表示 】
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分子分光法(学部3年):昨年度までの「分子分光学」と「機器測定法」を合わせた科目である。まず分子分光についての基本的な部分を量子力学から講義し、その後化学の分野で一般的に用いられる機器分析法を理解し、これらに共通して必要な基礎事項、測定機器使用時のマナー、化学反応や物理現象からセンサにより得られる信号の取り扱いなどを、主に発表/討論形式で行った。
電気化学(学部4年(卒論生)):当研究室において必須の電気化学について、基礎的な事項から機器の取り扱い/実験操作まで完璧に理解するよう指導した。また、電極表面修飾剤としてアルキルチオール類の合成、自己組織化単分子層の形成/脱離、及び機能評価についても指導した。
将来の研究計画・研究の展望・共同研究の可能性 【 表示 / 非表示 】
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電気化学活性界面(電子移動を伴う電極/溶液界面)を厳密に理解し、燃料電池やバイオセンサといった次世代のナノテクノロジーへと応用していくためには、構造が原子/分子レベルで制御された界面で電子移動反応を行い、反応が起こっているその場で高い空間分解能/時間分解能で界面構造を知る必要がある。この指針を元に、「自己組織化を利用した界面ナノ構造制御」と「界面ナノ構造その場追跡法の開発」について推進していく。
受験生等へのメッセージ 【 表示 / 非表示 】
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我々の生活の中では、燃料電池、バイオセンサ、化粧品/繊維など、すでにいろいろなところでナノテクノロジーの技術が使われています。より豊かな社会生活にするため、そして次のノーベル化学賞を目指して、一緒に環境にやさしいナノテクノロジーの研究をするために、ぜひ、お茶の水女子大学に来てください。
学歴 【 表示 / 非表示 】
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東京工業大学, 総合理工学研究科, 電子化学専攻, 大学院(修士課程), 1989年03月, 修了, 日本国
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東京工業大学, 総合理工学研究科, 電子化学専攻, 大学院(博士課程), 1991年05月, 中退, 日本国
学内職務経歴 【 表示 / 非表示 】
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人間文化創成科学研究科 研究院【基幹部門】 自然・応用科学系,教授,2012年04月 - 2015年03月
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基幹研究院 自然科学系,教授,2015年04月 - 継続中
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人間文化創成科学研究科 教育院【博士後期課程】 理学専攻,教授,2012年04月 - 2015年03月
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人間文化創成科学研究科 博士後期課程 理学専攻,教授,2015年04月 - 継続中
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人間文化創成科学研究科 教育院【博士前期課程】 理学専攻,教授,2012年04月 - 2015年03月
学外略歴 【 表示 / 非表示 】
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北海道大学 理学部,助手,1992年10月 - 1995年03月
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北海道大学 大学院理学研究科,助手,1995年04月 - 2002年05月
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ペンシルバニア州立大学 化学科,在外研究員,1995年10月 - 1995年12月
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オックスフォード大学 無機化学研究所,研究員,1999年08月 - 2000年03月
研究分野 【 表示 / 非表示 】
担当科目 【 表示 / 非表示 】
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2024年度
学術著書・訳書 【 表示 / 非表示 】
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図説表面分析ハンドブック
電気化学表面X線散乱法, 朝倉書店, 2021年06月, 近藤敏啓, 日本表面真空学会, 学術書, 314-317
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細胞・生体分子の固定化と機能発現
自己組織化単分子層の構築と固体表面への機能付与, シーエムシー出版, 2018年04月, 近藤敏啓・佐藤縁・魚崎浩平, 黒田章夫, 学術書, 276-285
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Compendium of Surface and Interface Analysis
Electrochemical Surface X-ray Scattering, Springer, 2018年04月, Toshihiro Kondo, The Surface Science Society of Japan, 学術書, 103-108
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金属界面の基礎と計測
共立出版, 2016年11月, 魚崎浩平・近藤敏啓, 学術書, 1-187
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X-ray and Neutron Techniques for Nanomaterials Characterization
In Situ SXS and XAFS Measurements of Electrochemical Interface, Springer, 2016年11月, T. Kondo, T. Masuda, K. Uosaki, S. S. R. Kumar, 学術書, 368-449
論文 【 表示 / 非表示 】
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Hierarchically Porous and Minimally Stacked Graphene Cathodes for High-Performance Lithium–Oxygen Batteries
Advanced Energy Materials, Wiley-VCH, 13巻46号(頁1/2303055 - 10/2303055), 2023年11月, YU Wei, SHEN Zhaohan, YOSHII Takeharu, IWAMURA Shinichiroh, ONO Manai, MATSUDA Shoichi, AOKI Makoto, KONDO Toshihiro, MUKAI Shin, NAKANISHI Shuiji, NISHIHARA Hirotomo, 原著, 研究論文(学術雑誌), 共著者
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Discharging and Charging Reaction Analyses at the Cathode for Lithium-O2 Battery Based on Operando and In Situ XRD Measurements
J. Phys. Chem. C, American Chemical Society, 127巻31号(頁15051 - 15061), 2023年07月, AOKI Makoto, DILIXIATI Dilinigeer, USHIJIMA Minako, YAMADA Suzumi KONDO Toshihiro, 原著, 研究論文(学術雑誌), 第一著者相当
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Etching of TiO2(110) Single-crystal Surface with Aniline for Step Direction Control
Chemistry Letters, Chemical Society of Japan, 52巻10号(頁823 - 827), 2023年10月, TAKAHARI Mami, GOTO Taiga, YOSHIMOTO Soichiro, KONDO Toshihiro, 原著, 研究論文(学術雑誌), 第一著者相当
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自己組織化単分子層を介したAu(100)単結晶基板上へのMAPbBr3ペロブスカイト超薄膜の形成
表面と真空, 日本表面真空学会, 66巻9号(頁520 - 524), 2023年09月, 高張 真美, 近藤 敏啓, 原著, 研究論文(学術雑誌), 第一著者相当
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In Situ Grazing Incidence Surface X-ray Diffraction Study of Li2O Ultra-thin Film Formation on Li and Its Effect of Suppressing Dendrite Formation during Charging and Discharging
Chemistry Letters, Chemical Society of Japan, 51巻5号(頁552 - 555), 2022年05月, KONDO Toshihiro, ITO Kimihiko, OHAMA Ayano, AOKI Makoto, NOGUCHI Hidenori, KUBO Yoshimi, 原著, 研究論文(学術雑誌), 第一著者相当
研究発表 【 表示 / 非表示 】
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パルスレーザー堆積法による黒色斜方晶セシウムスズヨウ化物ペロブスカイト薄膜の構築
池田 万葉, 高張 真美, 近松 彰, 近藤 敏啓, 国内, 口頭発表(一般), 2024年03月, 2024年03月18日2024年03月21日, 日本化学会第104春季年会, 船橋市(千葉県), 日本化学会, 一般発表, 共著者
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電気化学水晶振動子マイクロバランスによる白金電極表面へのアイオノマー吸着のその場解析
武井 楓, 野口 貴俊, 近間 克己, 近藤 敏啓, 国内, 口頭発表(一般), 2024年03月, 2024年03月18日2024年03月21日, 日本化学会第104春季年会, 船橋市(千葉県), 日本化学会, 一般発表, 共著者
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Anisotropic Etching of TiO2(110) Single-Crystal Surface with Aniline Solution Immersion for Step Direction Control
高張 真美, 五島 大河, 吉本 惣一郎, 近藤 敏啓, 国内, 口頭発表(一般), 2024年03月, 2024年03月18日2024年03月21日, 日本化学会第104春期年会, 船橋市(千葉県), 日本化学会, 一般発表, 第一発表者
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ステップ方向制御に向けた含窒素有機分子によるTiO2(110)単結晶表面の異方的エッチング
高張 真美, 五島 大河, 吉本 惣一郎, 近藤 敏啓, 国内, 口頭発表(一般), 2024年03月, 2024年03月14日2024年03月16日, 電気化学会第91回大会, 名古屋市(日本), 電気化学会, 一般発表, 共著者
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X線管球利用XRDによるリチウム空気電池の正極反応のオペランド追跡
近藤 敏啓, 青木 誠, Dilixiati Dilinigeer, 山田 涼美, 国内, 口頭発表(一般), 2023年11月, 2023年11月28日2023年11月30日, 第64回電池討論会, 大阪市(日本), 電気化学会, 一般発表, 第一発表者
外部資金等受入(教育・社会貢献の外部資金を含む) 【 表示 / 非表示 】
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オペランド追跡と軟X線分光によるLi空気電池の負極・正極反応機構の定量的全貌解明
基盤研究(B), 近藤 敏啓, 科学研究費補助金, 日本学術振興会, 2024年度, 5,400,000千円
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正極上の堆積物分析による高酸化耐性正極の設計指針確立
近藤 敏啓, 先端的低炭素化技術開発特別重点技術領域次世代蓄電池 , 国立研究開発法人 科学技術振興機構, 2022年度, 16,000,000千円
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電気化学QCMを中心とした解析技術構築・評価法確立
近藤 敏啓, 2022年度, 1,000,000千円
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種々の電池のその場分析技術のプラットフォーム構築
近藤 敏啓, 国立大学イノベーション創出環境強化事業研究助成金, お茶の水女子大学, 2022年度, 4,800,000千円
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正極上の堆積物分析による高酸化耐性正極の設計指針確立
近藤 敏啓, 先端的低炭素化技術開発特別重点技術領域次世代蓄電池 , 国立研究開発法人 科学技術振興機構, 2021年度, 12,000,000千円
学術団体の役員、委員等としての貢献 【 表示 / 非表示 】
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日本表面科学会電極表面科学研究部会
2014年04月 - 現在,会長, 国内
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日本化学会
2017年04月 - 現在,幹事(監査), 国内
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日本表面科学会
2013年04月 - 現在,委員, 国内
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電気化学会
2013年02月 - 2015年01月,幹事(監査), 国内
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日本化学会
2010年06月 - 2012年04月,委員, 国内
公開講座、講演・講習・研修会、出張講義等 【 表示 / 非表示 】
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文京区子ども科学カレッジ「環境にやさしいナノテクノロジー」
2022年09月, 文京区, 文京区(東京都)
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情報機構セミナー「固液界面のその場構造追跡技術」
2013年06月, 情報機構
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電池の進歩:ボルタの電池から燃料電池まで
2008年09月, 小野学園女子高校
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化学への招待:いろいろな電池 電池の進歩
2008年08月, 科学研究費補助金特定領域研究「極微構造反応」
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現代化学III 現代電気化学
2005年08月, 都教職員研修センター、お茶の水女子大学