安成 英樹 YASUNARI Hideki
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研究内容 【 表示 / 非表示 】
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フランス近世国制史の研究。とくに絶対王政期の官僚制度(官職売買制度)を中心とする権力構造や官僚組織としての宮廷構造の解明、そこを舞台に展開する儀礼の分析を通じて、当時の統治システムとその有効性を検討する。
具体的な研究課題としては、次の2点。
1絶対王政期の官僚制の考究
2権力を補完するものとしての権威構造の解明
継続中の基盤研究(B)「社会的上下感覚の生成・持続・変容に関する比較史」(研究代表者:岸本美緒)の研究分担者として、フランス近世社会の身分秩序意識、上下感覚についての研究を行った。
教育内容 【 表示 / 非表示 】
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学部の特殊講義では、昨年に引き続いて最新の社会史、とりわけ歴史人口学の成果をもとにフランス近世の日常生活をとりあつかった。歴史人口学の手法、そこからえられる知見をもとに、旅をテーマとして具体的かつ詳細に論じた。学部の演習では、旧体制下の軍隊構造、社会との関わりに関連する文献の講読を行った。2年生対象の西洋史研究法では西洋史学史を論じ、後半では歴史学の情報検索方法についてITルームを利用して実践的な授業を行った。また全学年対象の西洋史概説では昨年と同じく、パリとロンドンの比較史を協同で担当し、また毎年継続しているフランス語テクストの輪読の授業を行った。大学院の演習では、方法論の基本文献の輪読と参加者の研究発表を織り交ぜて授業を行った。また、学部4年生のなかで西洋史分野で卒論を書く学生(15名)、修論を書く博士前期課程学生1名についての研究指導を行った。
将来の研究計画・研究の展望・共同研究の可能性 【 表示 / 非表示 】
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フランスの宮廷の構成メンバーのプロソポグラフィー研究を包括的に行うことでその集団的特質を析出し、当時の宮廷の果たしていた社会的機能について多角的に検討する。また、従来からの官職保有者や直轄官僚全般についてさらに研究の進展を図り、あわせて絶対王政期の権力と権威の問題を深く掘り下げる。また、フランス近世社会の身分構造、とくに上下関係についての分析を平行して行っていく予定である。
受験生等へのメッセージ 【 表示 / 非表示 】
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大学で学ぶ(ことのできる)歴史は、暗記中心の高校のそれとは違います。年号や固有名詞を覚えることにあまり意味はありません。ある時代のさまざまな事件、あるいは社会そのものがどうして生成され、変容していくのか、自分のオリジナルなテーマを見つけてそのための材料(史料)を集め、自分で考え、自分なりの解を見出すものです。そのために、大学で歴史を勉強したい人には、できるだけたくさんの本(必ずしも歴史関連のものに限りません)を読み漁ってほしいと思います。そのうえで、自分の取り組みたいテーマを見つけ出せばいいのだと思います。したがって卒論は自由にテーマが選べます。やれるかどうかを含めアドヴァイスはしますが、基本的に自分がなにを取りあげ、調べてみたいのかが重要なのです。
学歴 【 表示 / 非表示 】
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東京大学, 文学部, 西洋史学専修課程, 大学, 1987年03月, 卒業, 日本国
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東京大学, 大学院人文科学研究科, 西洋史学専攻, 大学院(修士課程), 1990年03月, 修了, 日本国
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東京大学, 大学院人文科学研究科, 西洋史学専攻, 大学院(博士課程), 1991年03月, 中退, 日本国
学内職務経歴 【 表示 / 非表示 】
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人間文化創成科学研究科 研究院【基幹部門】 文化科学系,教授,2014年04月 - 2015年03月
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基幹研究院 人文科学系,教授,2015年04月 - 継続中
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人間文化創成科学研究科 教育院【博士後期課程】 比較社会文化学専攻,2012年04月 - 2015年03月
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人間文化創成科学研究科 博士後期課程 比較社会文化学専攻,2015年04月 - 継続中
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人間文化創成科学研究科 教育院【博士前期課程】 比較社会文化学専攻,2012年04月 - 2015年03月
担当科目 【 表示 / 非表示 】
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2024年度
学術著書・訳書 【 表示 / 非表示 】
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『フランス絶対王政とエリート官僚』
日本エディタースクール出版部, 1998年09月, 安成 英樹, 調査報告書
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『歴史学事典―第6巻 歴史学の方法』
項目『フランス歴史学雑誌』、「フランス社会科学高等院」, 弘文堂, 1998年09月, 安成 英樹, 樺山 紘一, 事典・辞書, 259, 668
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『歴史学事典―第8巻 人と仕事』
項目「ヨーロッパの貴族」、「ヨーロッパの総督」、「外交官」、「大使」、「印璽管理官」、「紋章官」、「近衛兵(ジャンダルム)」、「書記官」、「秘書官」, 弘文堂, 1999年02月, 安成 英樹, 佐藤 次高, 事典・辞書, 38, 68, 138 etc.
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『歴史学事典―第10巻 身分と共同体』
項目「勲章」、「叙勲」、「貴族(ヨーロッパの)」、「爵位」、「中間団体」、「社団(国家)」、「法服貴族」、「聖職者(第一身分)」、「席次」, 弘文堂, 2001年02月, 安成 英樹, 尾形 勇, 事典・辞書, 146,174, 300 etc.
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『歴史学事典―第12巻 王と国家』
項目「王の二つの身体」、「官僚制(西ヨーロッパの)」、「宮廷社会」、「摂政」, 弘文堂, 2005年03月, 安成 英樹, 黒田 日出男, 事典・辞書, 104, 173, 191, 408
論文 【 表示 / 非表示 】
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「フランス絶対王政の官僚制」
『歴史と地理』, , 1991年, 安成 英樹, 原著, 研究論文(学術雑誌), 単著
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「フランス絶対王政における地方長官の昇進過程」
『史学雑誌』, , 1998年, 安成 英樹, 原著, 研究論文(学術雑誌), 単著
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「フランス絶対王政における訴願審査官のプロソポグラフィ」
『お茶の水史学』, , 2000年, 安成 英樹, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
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「絶対王政期フランスの王権―宮廷とその儀礼を中心として―」
『西洋史論叢』, , 2006年, 安成 英樹, 原著, 研究論文(学術雑誌), 単著
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「アンシァン・レジーム期フランスの文学に見る身分感覚―モリエール『町人貴族』、ラ・ファイエット夫人『クレーヴの奥方』、ラクロ『危険な関係』―」
『お茶の水女子大学比較日本学研究センター年報』, , 2012年03月, 安成英樹, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
その他雑誌掲載文 【 表示 / 非表示 】
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「1996年の歴史学界;回顧と展望―近代フランス―」
『史学雑誌』, 106巻5号(頁346 - 352), 1997年06月, 安成 英樹, 原著, 単著, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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「1993年の歴史学界;回顧と展望―近代フランス―」
『史学雑誌』, 103巻5号(頁328 - 335), 1994年06月, 安成 英樹, 原著, 単著, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
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「二兎を追う」 ─知識の「応用」を問う,お茶の水女子大学新フンボルト入試の挑戦─
ニューサポート高校「社会」巻33号(頁2 - 3), 2020年04月, 安成英樹, 原著, 単著, 査読なし, 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
その他書籍掲載文、作品解説・解題、校閲・監修(特定課題研究報告書を含む) 【 表示 / 非表示 】
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『ヨーロッパにおける国民国家の生成と地域主義の台頭』
「近世フランスにおける国家統合と集権化」1995年03月, 安成 英樹, 木村 靖二, 科研費報告書
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『西欧の歴史世界とコミュニケーション』
「近世フランスの社会的結合関係とパトロナージュ」2001年03月, 安成 英樹, 桜井 万里子, 科研費報告書
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「フランス絶対王政期における官職売買制度の展開とその再検討」(平成16~18年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書、2007年3月、1~56頁)
2007年03月, 安成 英樹, 科研費報告書, 単著
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世界史B 教授用指導書
第9章 近世ヨーロッパと大航海時代, 実教出版, 2013年03月, 実教出版株式会社編修部編, 解説書・図録等, 共著
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『絶対王政期フランスの宮廷構造研究』(平成19~21年度科学研究費補助金基盤研究C研究成果報告書)
2010年06月, 安成 英樹, 科研費報告書, 単著
研究発表 【 表示 / 非表示 】
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「フランス絶対王政期における地方長官制について」
安成 英樹, 国内, 1989年06月, , フランス国制史研究会, 日仏会館, フランス国制史研究会, 一般発表, 第一発表者
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「フランス絶対王政期の直轄官僚」
安成 英樹, 国内, 1991年03月, , 歴史学会月例会, 歴史学会, 一般発表, 第一発表者
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「フランス絶対王政のエリート官僚―地方長官のプロソポグラフィ―」
安成 英樹, 国内, 1991年11月, , 史学会大会, 東京大学, 史学会, 一般発表, 第一発表者
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「Richard Bonney, L'absolutisme (Paris, PUF, 1989)について」
安成 英樹, 国内, 1994年07月, , フランス国制史研究会, 日仏会館, フランス国制史研究会, 一般発表, 第一発表者
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「フランス絶対王政における「行政」」
安成 英樹, 国内, 1999年01月, , 比較国制史研究会, 東京大学山上会館, 比較国制史研究会, 一般発表, 第一発表者
外部資金等受入(教育・社会貢献の外部資金を含む) 【 表示 / 非表示 】
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西欧の歴史世界とコミュニケーション
基盤研究(B), 桜井万里子, 1998年度, 3,200千円
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西欧の歴史世界とコミュニケーション
基盤研究(B), 桜井万里子, 1999年度, 2,000千円
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西欧の歴史世界とコミュニケーション
基盤研究(B), 桜井万里子, 2000年度, 2,000千円
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フランス絶対王政期における行政官僚のプロソポグラフィ
奨励研究(A), 2000年度, 1,600千円
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フランス絶対王政期における行政官僚のプロソポグラフィ
奨励研究(A), 2001年度, 600千円
学術団体の役員、委員等としての貢献 【 表示 / 非表示 】
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日仏歴史学会
2002年10月 - 2005年03月,委員, 国内
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日仏歴史学会
2002年10月 - 2006年03月,委員長, 国内
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日仏歴史学会
2006年04月 - 2007年03月,委員長, 国内
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日仏歴史学会
2007年04月 - 2008年03月,委員長, 国内
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日仏歴史学会
2005年04月 - 2006年03月,理事, 国内
公開講座、講演・講習・研修会、出張講義等 【 表示 / 非表示 】
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フランス・ヴェルサイユ展によせて ブルボン朝の光と影~ルイ14世からルイ16世まで
2003年01月, 朝日カルチャーセンター横浜
マスコミによる報道・出演・コメント等掲載 【 表示 / 非表示 】
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「探究力」評価 大学入試手探り
2022年10月15日, 朝日新聞, 24頁
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教育ルネサンス総合型選抜3―図書館で試験 考察力問う
2022年09月20日, 読売新聞, 12頁