宮下 聡子 MIYASHITA Satoko
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研究内容 【 表示 / 非表示 】
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倫理と心理と宗教の接点を探るという研究テーマのもと、人間はどうあるべきかということについて、人間の内面および人間と超越的次元との関わりという観点から考察している。主な研究対象は、倫理に関心があり宗教にも造詣が深い精神科医・心理学者の思想である。特にユングの宗教的倫理に力を入れて研究しているが、生の意味についてのフランクルの思想、キューブラー=ロスの死生観、フロムの生産的構えをとり上げたこともある。精神科医・心理学者以外にも、ソクラテスの神理解を追究したり、『ヨブ記』の主人公・義人ヨブの苦難について考えたり、和辻倫理学の宗教性について考察したりもした。価値観が多様化し、則るべき規範が見えにくくなっている現在、倫理と心理と宗教の接点において見えてくるものを確定しなければならないとの認識に立っている。
教育内容 【 表示 / 非表示 】
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担当している授業は、その形態から、講義、講読・演習、論文指導に分けられる。
講義については、受講生に倫理学を身近に感じ、関心を持ってもらえるよう工夫している。たとえば、学部向けの講義「倫理学概論Ⅰ・Ⅱ」では、生きることに密接に関わる明暗こもごもの問題をテーマとして立て、各テーマについての代表的な古今東西の思想家の説を紹介し、倫理学的に考察することを通じて、受講生に倫理思想史的知識と倫理学的思考法を身につけてもらいつつ、倫理学を自分自身にも関わることとしてとらえてもらうことを目指している。
講読・演習では、学部、大学院ともに、倫理や宗教について深く考えさせるテクストをとり上げている。テクストの正確な読解と的確な解釈およびそれらを前提にした自由な思索を大切にするとともに、発表や討論の技能を磨く場としての機能も重視している。
論文指導については、形式・内容ともに充実した論文を作成することができるよう、学生を集めての発表・講評会の形と個別指導の形の両様で指導している。研究倫理の徹底も図っている。
受験生等へのメッセージ 【 表示 / 非表示 】
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倫理学は難しくてとっつきにくいというイメージを持たれがちですが、元来は人間が生きることと密接に関わる、私たちにとって身近な学問です。倫理学では、人間はどうあるべきかという普遍的な問題と自分はどうあるべきかという個別的な問題をともに見据えて、「よく生きる」ことの内実を探っていきます。
人間について、自分について、深く考えてみたいという皆さんと倫理学のおもしろさを共有できるのを楽しみにしております。
学歴 【 表示 / 非表示 】
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早稲田大学, 第一文学部, 哲学科心理学専修, 大学, 卒業, 日本国
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東京大学, 文学部, 思想文化学科倫理学専修課程, 大学, 卒業, 日本国
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東京大学大学院, 人文社会系研究科, 基礎文化研究専攻思想文化コース倫理学専門分野, 大学院(修士課程), 修了, 日本国
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東京大学大学院, 人文社会系研究科, 基礎文化研究専攻思想文化コース倫理学専門分野, 大学院(博士課程), 修了, 日本国
学内職務経歴 【 表示 / 非表示 】
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人間文化創成科学研究科 研究院【基幹部門】 文化科学系,助教,2014年04月 - 2015年03月
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人間文化創成科学研究科 教育院【博士前期課程】,助教,2014年04月 - 2015年03月
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人間文化創成科学研究科 教育院【博士後期課程】,助教,2014年04月 - 2015年03月
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文教育学部 人文科学科,助教,2014年04月 - 2018年03月
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基幹研究院 人文科学系,助教,2015年04月 - 2018年03月
学外略歴 【 表示 / 非表示 】
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放送大学 埼玉学習センター,講師,2016年04月 - 2016年09月
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放送大学 埼玉学習センター,講師,2017年04月 - 2017年09月
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放送大学 埼玉学習センター,講師,2018年04月 - 2018年09月
担当科目 【 表示 / 非表示 】
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2024年度
学術著書・訳書 【 表示 / 非表示 】
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ユングにおける悪と宗教的倫理
教文館, 2009年11月, 宮下 聡子, 学術書
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応用倫理学事典
罪と悪、応報, 丸善, 2008年01月, 宮下 聡子, 加藤 尚武, 事典・辞書, 416-417, 422-423
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現代倫理学事典
黄金律、偶像、原罪、選民思想、無神論、黙示, 弘文堂, 2006年12月, 関根 清三・宮下 聡子, 大庭 健, 事典・辞書, 92, 208, 249, 548-549, 816, 823-824
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入門 哲学の名著
第15章 キルケゴール『あれか、これか』, Philosophy: The Classics, ナカニシヤ出版, Routledge, 2005年01月, 1998年, 宮下 聡子, 船木 亨 監訳, Nigel Warburton, 学術書, 193-205
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日本版 インタープリテイション 聖書と神学と思想の雑誌 第60号
ユーモアと希望の神学――ユーモラスな人物としてのイサク, Humor and the Theology of Hope: Isaac as a Humorous Figure, ATD・NTD聖書註解刊行会, 2001年05月, 宮下 聡子, 新井 明, Joel S. Kaminsky, 学術書, 33-56
論文 【 表示 / 非表示 】
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ユングの超常体験——自伝に基づいて
お茶の水女子大学人文科学研究, , 第20巻(頁1 - 14), 2024年03月, 宮下 聡子, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
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ユングの知っていた神——自伝に探る
お茶の水女子大学人文科学研究, , 第19巻(頁1 - 13), 2023年03月, 宮下 聡子, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
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和辻倫理学の宗教性
倫理学紀要, , 28巻(頁54 - 79), 2021年03月, 宮下 聡子, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
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ヨブの苦難をめぐって――『ヨブ記』をたどる
お茶の水女子大学人文科学研究, , 第14巻(頁17 - 28), 2018年03月, 宮下 聡子, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
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ユングの「自己」――その倫理的可能性
お茶の水女子大学人文科学研究, , 第13巻(頁1 - 11), 2017年03月, 宮下 聡子, 原著, 研究論文(大学,研究機関等紀要), 単著
その他雑誌掲載文 【 表示 / 非表示 】
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ヨブが認識したこと
宗教研究, 第93巻別冊号(頁204 - 205), 2020年03月, 宮下 聡子, 原著, 単著, 査読あり, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
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ユングの悪理解
宗教研究, 第91巻別冊号(頁192 - 194), 2018年03月, 宮下 聡子, 原著, 単著, 査読あり, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
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道徳教育の中の宗教的情操教育
宗教研究, 第90巻別冊号(頁434 - 435), 2017年03月, 宮下 聡子, 原著, 単著, 査読あり, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
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ユングにおける神
宗教研究, 第89巻別冊号(頁242 - 243), 2016年03月, 宮下 聡子, 原著, 単著, 査読あり, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
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フランクルの「超意味」について
宗教研究, 第88巻別冊号(頁412 - 413), 2015年03月, 宮下 聡子, 原著, 単著, 査読あり, 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
その他書籍掲載文、作品解説・解題、校閲・監修(特定課題研究報告書を含む) 【 表示 / 非表示 】
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他者と自由についての古代ユダヤ思想と古代ギリシア思想の比較研究
宗教的倫理における自由の問題――ユングのユダヤ・キリスト教道徳理解および良心論を手がかりに, 東京大学大学院人文社会系研究科, (頁82 - 92), 2006年03月, 宮下 聡子, 関根 清三(研究代表者), 科研費報告書, 単著
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入門 哲学の名著
第15章 キルケゴール『あれか、これか』訳者解題, ナカニシヤ出版, (頁205 - 207), 2005年01月, 宮下 聡子, 船木 亨 監訳, 著書解題, 単著
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西洋思想史の中での生命概念
ユングにおける同胞との共存への道, 東京大学大学院人文社会系研究科, (頁99 - 110), 2000年03月, 宮下 聡子, 佐藤康邦(研究代表者), 科研費報告書, 単著
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リチャード・ノル(月森左知・高田有現訳)『ユング・カルト』新評論、1998年
日本ユングクラブ, JAPAN JUNG CLUB NEWSLETTER 61号(頁9 - 10), 1999年03月, 宮下 聡子, その他, 単著
研究発表 【 表示 / 非表示 】
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ヨブが認識したこと
宮下 聡子, 国内, 2019年09月, , 日本宗教学会第78回学術大会, 帝京科学大学千住キャンパス, 日本宗教学会, 一般発表, 第一発表者
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ユングの悪理解
宮下 聡子, 国内, 2017年09月, , 日本宗教学会第76回学術大会, 東京大学本郷キャンパス, 日本宗教学会, 一般発表, 第一発表者
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道徳教育の中の宗教的情操教育
宮下 聡子, 国内, 2016年09月, , 日本宗教学会第75回学術大会, 早稲田大学戸山キャンパス, 日本宗教学会, 一般発表, 第一発表者
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ユングにおける神
宮下 聡子, 国内, 2015年09月, , 日本宗教学会第74回学術大会, 創価大学, 日本宗教学会, 一般発表, 第一発表者
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フランクルの「超意味」について
宮下聡子, 国内, 2014年09月, , 日本宗教学会第73回学術大会, 同志社大学今出川キャンパス, 日本宗教学会, 一般発表, 第一発表者
外部資金等受入(教育・社会貢献の外部資金を含む) 【 表示 / 非表示 】
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家族・経済・超越――近現代日本の文脈からみた共同体論の倫理学的再検討
基盤研究(B), 熊野 純彦, 2020年度, 90千円
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『ユングにおける悪と宗教的倫理』
研究成果公開促進費(学術図書), 2009年度, 300千円
マスコミによる報道・出演・コメント等掲載 【 表示 / 非表示 】
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『宗教研究』
2010年12月01日
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『週刊 読書人』
2010年03月12日
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『本のひろば』
2010年03月01日