中村 まい

NAKAMURA Mai

職名

リサーチフェロー

所属

基幹研究院

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研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 民俗舞踊、社会的機能、企業の実践

研究内容 【 表示 / 非表示

  • これまでの研究により、阿波踊りに参画する企業の踊り集団「企業連」は、企業・地域内外の多様な人々を内包することで、多層的な関係構築・強化の機能を有していることが確認された。これらの機能が阿波踊り以外の民俗芸能においても確認されるのかを明らかにすることが、現在の研究の目的である。今年度は岩手県のさんさ踊りに参加する企業の踊り集団を対象に、踊り集団の運営実態を明らかにする実地調査を行う予定である。
    加えて、技能を有する人材や資源が不足している企業が阿波踊りに参画できるのは、「隊列」という舞踊特性によって地元の連と協働で出演できるからということが明らかになっている。習熟度の異なる踊り集団同士の連携の在り方や、応用的な演舞の実践について、映像分析を行うことで阿波踊りの担い手の祭りへの参与戦略を明らかにすることも目的としている。

将来の研究計画・研究の展望・共同研究の可能性 【 表示 / 非表示

  • 本研究は今後、地方都市で行われている地域振興のための祭りに参与する企業の踊り集団の実態を横断的に比較検討することで、民俗芸能の担い手としての企業の可能性とその社会的価値について明らかにすることを目指している。
    民俗芸能研究で手薄であった都市の芸能を対象とし、都市祭礼研究で見過ごされてきた芸能の実践に焦点を当てている点で独創的であり、民俗学と社会学との接合点を提示し、両分野に新たな視座を提供できる。加えて、踊りを専従としていない一般人の踊り参与に着目することで、踊りと社会の相互関係や社会における踊りの役割などを論じる舞踊社会学の地平を開くものとして評価できる。以上の観点から、本研究は社会学・民俗学・舞踊学にまたがる学際研究に位置付けられる。
    今後は、観光学の視点を取り込み、担い手にとっての観光資源化の功罪について言及し、民俗芸能を観光資源化していく際の留意点を提示することも視野に入れている。

学位 【 表示 / 非表示

  • 博士(学術), お茶の水女子大学, 2024年03月

学内職務経歴 【 表示 / 非表示

  • 基幹研究院,リサーチフェロー,2024年04月 - 継続中

学外略歴 【 表示 / 非表示

  • 帝京大学,非常勤講師,2021年04月 - 2022年03月

研究分野 【 表示 / 非表示

  • 人文・社会 / 人文・社会 / 観光学, 地域観光資源、祭り

  • 人文・社会 / 人文・社会 / 社会学, 踊りの社会的機能、関係構築・強化

  • 人文・社会 / 人文・社会 / 芸術実践論, 民俗舞踊、担い手

 

論文 【 表示 / 非表示

  • 阿波踊りにみられる企業連の多様な参与実態とその要因―三原やっさ踊りとの比較を通じて―

    比較舞踊研究, 比較舞踊学会, 29巻(頁25 - 35), 2023年, 中村 まい, 原著, 研究論文(学術雑誌), 単著